
こんな人に観てほしい:優しくされた理由を、あとから確かめたくなる人へ

熱を出して寝込んだ日に、誰かが来てくれたことはありますか。スポーツドリンクとゼリーの入ったコンビニ袋を提げて、勝手に台所に立って、体温計を差し出して帰っていく。治ったあとで、ふと思うんです。あの人は、本当に看病のためだけに来ていたんだろうか、と。
この作品は、その疑問に答えを出してしまう話です。しかも答えを出すのは、兄の奥さんです。
まず、世話を焼かれることに弱い人。結城花乃羽さんが演じる義姉・花乃羽さんは、元看護師です。痛み止めを飲んだかと訊いて、「うーん、その顔見てわかる」「飲んでないでしょ」と顔色だけで言い当てる。洗濯物を畳み、好物の唐揚げを置き、冷蔵庫に作り置きを詰めて帰っていく。母親とも恋人とも違う、身内の女性だから許される距離の詰め方です。あなたが一人暮らしの部屋で、レトルトのカレーを温めながら何かを諦めた夜があるなら、この時点でもう半分持っていかれます。
次に、焦らされるのが好きな人。購入者レビューにも、素股の時間が長いという声がありました。分かります。長いです。でもこの長さには理由がある。タイトルが掲げる擦るだけなら浮気じゃないという言い訳を、彼女がどこまで守れるのか。その綱渡りの時間が、そのまま素股の時間なんです。
そして、夢と現実の境目にぞくっとする人。酔い潰れた夜に何かがあった。翌朝、彼女はそれを夢だったことにしてくれない。
逆に、自分から攻めたい人には向きません。こちらは脚を怪我しています。ほとんど最後まで、主導権は彼女の手の中です。
あらすじ:兄が寄こしたのは、元看護師の妻だった

主人公は一人暮らしの男性です。舗装工事中の道路で転落して脚を怪我し、ベッドから動けなくなる。電話をかけてきた兄は、そんなコントみたいなことがあるのかと笑い、仕事はリモートだと聞くと、うちの嫁を行かせようかと言い出します。家で毎日暇だ暇だとうるさいし、ちょうど元看護師だから、と。
電話を代わった花乃羽さんの第一声が「もう、ほんとドジっ子なんだから」。申し訳ないと遠慮するこちらに「いいの、私もちょうどいい気分転換になるから」と返し、「どうせ男の一人暮らしなんて、ろくなもん食べてないでしょ」と、ご飯を作りに来る約束までしてしまう。私はこの時点で、兄に少し嫉妬しました。
翌日、水色のニットで現れた彼女は、まず「大丈夫?痛くない?」。脚の位置を直し、「血の巡りは大事だから」「こうやって足を上げてね」と指示を出す。部屋の奥で洗濯物を畳み、食事をトレーに載せて運んできて、「唐揚げ好きって言ったでしょ」と置いていく。帰り際には「取りに行くの大変だったら、また私来るから連絡して」。看病というより、生活ごと引き受けてくれる人です。
それから彼女は頻繁に通ってくるようになり、脚は少しずつ治っていく。でもこちらが嬉しいのは、脚の回復よりも、花乃羽さんと仲良くなれたことの方なんです。
ある晩、和室のちゃぶ台で二人はワインを開けます。彼女は夫のことを「お家では全然飲まないから」とこぼして「久しぶりに飲めて嬉しい」と言い、「兄弟なのに、似てるところと似てないところあるんだね」と笑う。「ねえ、もっと飲んでよ」「私だけこんな饒舌になってたら、恥ずかしいし」と勧めながら、自分は水みたいにグラスを空けていく。先に潰れたのはこちらでした。
「飲ませすぎたかな?」「寝顔も可愛い」。眠りに落ちる間際、彼女の声だけが聞こえる。そのあと起きたことが夢だったのか現実だったのか、こちらには分からない。その先は、あなたが確かめてください。
見どころ1:本当に夢なのかな、と訊いてくるのは彼女の方

眠っているこちらの毛布を、彼女がそっとめくる。「なんで寝てるのに、こんな大きくなってるの?」。起きてしまわないか気にしながら腰に跨り、赤いレースの下着のまま、股間をこすりつける。久しぶりだからすぐイっちゃうかも、と呟いて、本当に一人で達してしまう。
で、ここからがこの作品の本番です。翌朝。
目を覚ましたこちらが慌てて何かを隠すと、彼女は「昨日は飲ませすぎちゃって」と謝ってから、「何隠したの?」。夢精しちゃったのかとからかって、「最近出してなかったもんね」「エッチな夢?」「どんな夢?」と、一つずつ追い詰めてくる。そして、「本当に夢なのかな」。
私はここで、飲みかけのコーヒーを机に置きました。昨夜の出来事を知っているのは彼女だけです。普通なら隠す側でしょう。なのに彼女は、隠すどころか自分から答え合わせを始める。「夢じゃなかったの?」「こんな夢だったでしょ?」と言いながら、また跨ってくるんです。
しかも言葉がいちいち看護師なんですよ。「こういう夢だったんじゃない?」「女の人に積極的にお世話になる夢」。ずっと脚を動かせずにいたこちらに、「溜まってたんでしょ」「かわいそう」「でも大丈夫」と続ける。そして「私がこっちの方の世話もしてあげようか」。熱を測るのと同じ温度で、それを言う。病院で問診票を書かされているような気分のまま、下半身だけが先に答えてしまう。あなたは、この問診に嘘をつけますか。
素股で彼女が先に達し、こちらも出してしまう。手と口でもう一度。それでも彼女は止まりません。「私もこういう夢見たよ」。この一言で、昨夜の出来事が、こちらの夢から二人の秘密に変わります。
騎乗位でつながってからは、もう言い訳がありません。彼女のほうから「中でいいよ」「あ、中に出して」。出したあと、謝るこちらに「私が中に出してって言ったんだから」。兄には内緒、「ダメだよ、言ったら」と念を押して、こう言うんです。
「これは夢じゃないからね」
ゾクッとしました。夢にしておけば、全部なかったことにできた。その逃げ道を、彼女は自分の口で塞いでしまう。
しかも彼女はそこで終わらず、「療養中に溜まってたやつ」「全部出さないとね」と続けます。元看護師の献身が、ここでは完全に別の方向を向いている。そして最後に「今日のこと、二人だけの秘密にできる?」。秘密を作ったのも、それを秘密だと宣言したのも、全部彼女です。
後日、別の看病の日に、彼女はあっさり白状します。初めての夜は、寝ているこちらに擦りつけるだけでイってしまったのだ、と。そして「どうしても我慢できなかった」。恥ずかしい、と小さく漏らすのを聞いて、私はあの朝のことを思い出しました。あの追い詰め方は、我慢できずに自分から跨った夜を、こちらの夢で終わらせたくなかったからなのかもしれない、と。
見どころ2:擦るだけ、のはずだった人が、自分で一線を越える

それからは、看病に来るたびに二人は求め合うようになります。洋室のベッドで、白いレースの下着の彼女が、こちらがずいぶん甘えるようになったと嬉しそうに言う。そして、脚の回復を喜ぶんです。「足、だいぶ良くなってきてよかったね」。
この作品の素股は、彼女がこちらの体を使って一人で気持ちよくなっていく時間です。こちらの指を自分の股間に当てさせて「この指あそこにフィットするの」。一人でするのとは比べものにならない、とまで言う。購入者レビューに、こちらの体で彼女がオナニーしている感じ、という表現がありましたが、まさにそれです。こちらは脚を怪我しているので、触らせてもらう以外にできることがない。電車で隣に座った人の肩が触れてくるのに、自分からは一ミリも動けない、あのもどかしさ。あれがずっと続く。
手と口に移っても、彼女は簡単には終わらせてくれません。寸前で止めて、我慢しているこちらの顔を見て「もっともっと我慢させたくなっちゃう」。さらに「でももうちょっといじめちゃお」。看病していた人の口から、いじめちゃお、です。
で、ここが一番好きなところなんですけど。「ね、またこすってもいい?」と訊いておいて、すぐに「でも、直接がいいから」と下着を脱いでしまう。擦るだけ、の言い訳がここで一段階ゆるむ。腰を動かしながら、こちらにはまだイかないでと止めるのに、次の瞬間には自分がイきそうだと言い出して、そのまま先に達してしまう。止めた本人が、先に越えていく。
そして、「ね、もう入れたい?」。訊いておきながら、続けて「私はもう我慢できない」「入れちゃう」。
タイトルの言い訳が、ここで本人の手で破られます。こちらは何もしていない。脚を怪我して寝ていただけです。一線を越えたのは、最初から最後まで彼女なんです。
騎乗位で腰を落とすたびに、彼女の頬が赤く染まっていく。レビューに、絶頂の手前で首元と頬がピンク色になるという声がありましたが、本当にそうなんです。「ずっと我慢してるでしょ」と見抜き、「ギリギリまで我慢して」と言っておいて、じゃあ下からいっぱい突いて、と許す。背中を向けて腰を振りながら「あ、これ好き」と漏らす頃には、私はもう看病という言葉を忘れていました。
最後に、こちらも彼女を気持ちよくさせたいと伝えると、彼女は嬉しそうに聞き返し、怪我しているんだから無理はダメだと言う。それから、正直に打ち明けます。夫よりこちらの方が相性がいいと思う、ごめんね、と。そして「どんどん惹かれていっちゃった」。
ここで初めて、こちらが上になります。シーツに仰向けになった彼女が、眉を寄せて見上げてくる。頭上に伸ばした手に、指輪が光っている。そして、こちらが腰を動かせるようになったことを、彼女は心から喜ぶんです。「よかった。こんなに動けるようになって」。
この一言、ずるくないですか。最初の日に「大丈夫?痛くない?」と訊いた人が、同じ温度で、ここまで動けるようになったことを喜んでいる。看病の成果が、こんな形で確かめられるなんて。一緒にイこう、と言われて果てたとき、私は少し泣きそうでした。
最後に:治ってしまうのが、少しだけ惜しい

終わったあと、彼女は笑いながら、こう漏らします。
「こんなに良くなっちゃったら困るな」
「もうここに来る口実なくなっちゃうし」
この作品を通して、彼女は何度も脚の回復を喜んでいました。良くなってきてよかったね、だいぶ動けるようになったね、と。そのたびに、自分がここへ来る理由を一つずつ手放していたんです。それを分かっていて、それでも喜んでいた。
そして彼女は、口実なしで来ることを選びます。「完治してからも」「また遊びに来てもいい?」。理由を訊かれる前に、自分で答える。「だって、もっとお世話したいの。色々さ」
この作品を観終えたあと、あなたはきっと、誰かに優しくされた日のことを思い出すはずです。あの優しさには、看病以外の何かが混ざっていたのかもしれない。混ざっていてほしかった、と思うかもしれない。
花乃羽さんは、その何かを最後に自分の口で認めてくれます。優しくされた理由を、ちゃんと聞かせてくれる人に会いたいなら。あなたの部屋のドアを、彼女にノックさせてあげてください。
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