
こんな人に観てほしい:「いらっしゃいませ」に疲れた全員

コンビニでも、飲食店でも、美容室でも、「いらっしゃいませ」。礼儀として正しい、でもその言葉で、自分がここにいてもいい理由が一つも足されない。ただ処理される客になる。
あなたは気づいてないかもしれませんが、「いらっしゃいませ」を毎日何十回も浴びている側の人間は、誰かから名前で呼ばれる機会が、実はほぼない。本作は、その欠けた場所に、たった一言で水を注いでくる作品です。
あらすじ:「おかえり」から始まるエステ

女優は田野憂。メーカーはエスワン ナンバーワンスタイル。
舞台はメンズエステの個室。アロマライトの灯る落ち着いた空間。そこで、セラピストの憂ちゃんは言うんです。
「おかえり。なんだか最近会えてなかったから、すごく寂しかったんだよ。ハグしてもいい?」
最初のセリフが、これ。普通のセラピストなら「いらっしゃいませ、お疲れ様です」でしょう。この子はタメ口です。しかも、完全に友達、というか、ほぼ彼女のテンション。「お店には内緒だよ」と付け加えてくるあたりが、余計に効く。Lカップの爆乳を惜しみもなく押し付けてくるハグで、この60分超の濃密な時間が幕を開けます。
見どころ1:敬語ゼロ、くすぐりバトル、ちんちん観察

この作品、前半のノリが最高なんです。
服を脱がせるだけで「相変わらず私これ脱がせるの下手くそだよね」と自己ツッコミ。下着まで下ろしたところで「もうちょっと勃起してるな。なに立たしてんだよ、可愛い」。完全に彼女の言い方なんですよ、これ。敬語が一個もない。敬語のないエステ、成立するんだっけ?と脳がバグる。
ハイライトは足のマッサージ中に発生する「くすぐりバトル」です。「絶対触っちゃダメだよ」「触ったら怒っちゃうかも」と釘を刺しておきながら、次の瞬間には「足くすぐらないで、ほんと、くすぐったいの苦手だから」と、くすぐられる側の弱点を自己申告してくる。そして「やられたらやり返すよ」。
これが、ただのコスプレAVにない質感なんです。遊んでいるんですよ、二人で。マッサージ店の個室で、大人二人が小学生みたいなくすぐり合いをしている。その合間に、お互いの身体が反応する。「あ、ちんちんがこんにちはしてる」と憂ちゃんが言う。言われて恥ずかしい、でも嬉しい。この「客でも施術者でもない時間」の濃密さが、この作品の空気そのものです。
見どころ2:パイズリで「落としたかったのに」、続く2回戦

オイルをたっぷり使ったパイズリに入ると、質感がまた変わります。
Lカップのボリュームが正面から覆い被さってきて、オイルで光っている肌が、揉むたびに形を変える。「おっぱいまんこみたいなね」と笑いながら、胸の谷間で出し入れしてくる。これが気持ちよくないわけがない。限界が来て、そのままフィニッシュ。
ここで普通のAVなら、それで次の体位に移るんですけど、憂ちゃんは違う。
「落としたかったのになぁ。こんなすぐイくと、全然面白くない」。
ここで初めて分かる。この子、一発では終わらせない気でいる。「ちょっと休憩したら、私ともうちょっと遊ぼう」。休憩を挟んで、2回戦。オイルを塗り直しながら、胸の上にハートを描いて見せてきたり、オイル下手くそアピールを繰り返したり、ずっと遊びながら身体を重ねていく。
挿入の瞬間、憂ちゃんが言うんです。「この入れる瞬間が一番興奮する」「まだ絶対抜いてあげないよ」。ここから先は、完全に彼女主導の時間です。騎乗位で腰を落とし、バックで「大声でいい?」と振り返り、そして最後に──「一緒にイチャイチャしようね」。エステで発射して、続きで挿入して、最後までイチャイチャと呼ぶ。ずっと遊んでいる。最後まで遊びながら、一緒にイく。
最後に:名前で呼んでくれる人がいる世界

働いている人間が、一日で一番欲しているもの。名前で呼ばれること。ねぎらわれること。「お疲れ」と言われること。「会えて嬉しい」と言われること。
この作品は、セックスをしに行く場所の話、という仮面をかぶって、実はその欠けたものを補充しに行く場所の話をしている。だからエロいのに、なんだか泣きそうになる瞬間がある。「寂しかったんだよ」と最初に言われた、あの一言が、ずっと効いている。
観終えた夜、あなたはたぶん、スマホを開いて連絡先を眺めます。そして気づく。「おかえり」と言ってくれる人が、自分の人生にいま何人いるのか。その数が少ないと感じたら、この作品は、しばらくの間、あなたのおかえりを担当してくれる存在になります。
