
こんな人に観てほしい:女性と目が合うと、先にそらしてしまう人

コンビニのレジで袋は要るかと聞かれて、店員さんの顔ではなく、レジ横のガムを見ながら首を振る。職場で女性に話しかけられると、相手のおでこのあたりに視線を置いて、なんとか会話をやり過ごす。
心当たり、ありませんか。
目を合わせられないのは、相手が嫌いだからじゃない。見たら何かがばれそうな気がするからです。緊張していること。慣れていないこと。そして、本当は興味があること。
この作品の主人公は、その緊張がこじれて学校へ行けなくなった生徒です。担任の先生に理由を打ち明けるうちに、クラスの男子は自分以外みんな彼女がいるらしい、という話まで出てくる。先生の反応は「君以外の男子、みんないるの?彼女」。そのあと、ため息まじりに「あいつら」。
笑いました。でも、少しだけ胸も痛かった。自分だけ置いていかれた感覚って、大人になっても形を変えて残るんですよ。同期の結婚報告。飲み会で始まる恋人自慢。うなずきながら、なぜか視線だけが床に落ちていく。
本当に欲しいのは、テクニックじゃないはずです。笑わずに、急かさずに、一段ずつ付き合ってくれる相手。この作品の先生は、まさにその相手です。
女性の目を見るのが怖い人。一から手ほどきされる設定に弱い人。眼鏡の先生に褒められたい人(この先生、最後まで眼鏡を外しません)。そして、教わるだけでは足りなくて、教えてくれる相手にも求められたいと、心のどこかで思っている人。これは、あなたのための授業です。
あらすじ:様子を見に来た担任との、十秒の見つめ合いから始まる個人授業

三宮つばきさんが演じるのは、学校へ行けなくなった生徒の担任、つばき先生です。
始まりは、父親が部屋に来て、先生が来てくれたと告げるところから。父親は、自分には全然話してくれないが、先生になら少しは話せるだろうとこぼして部屋を出ていく。入れ替わりに入ってきたグレーのスーツ姿の先生が、床に正座して地元で有名だというどら焼きを差し出す。今日聞いたことはお父さんにもお母さんにも言わない、と約束してから、学校で嫌なことがあったのかと尋ねます。
返ってきた答えは、クラスの女の子とうまく話せない、緊張して学校へ行きにくい、というもの。先生の口から思わず出たのが「えっと、それだけ?」。そしてすぐに、「それだけって、そんな言い方、悪かった」と謝る。暴力やいじめを疑っていて、それが一番心配だったんです。
私はここで、この先生を信用しました。生徒の悩みを一瞬だけ軽く見て、すぐに自分で訂正できる大人。非の打ちどころのない聖職者より、ずっと本物っぽい。
先生の見立ては、女の子と緊張せずに話せるようになればいい、というものでした。だから、「まず先生で練習して」。最初の課題として出てくるのが、「じゃあまずは先生と十秒、目合わせてみようか」。
先生が数を数えるあいだ、ただ見つめ合う。数え終わると「よくできました」。練習はそこから、手に触れる、指を絡める、抱き合う、キスをする、と一段ずつ階段を上っていきます。うまくできれば褒め、触れ方がぎこちなければ「そんなんじゃ好きな子できた時に嫌われちゃうよ」とやんわり直す。その先も、もちろんあります。
そして物語には、もうひとつの時間があります。学校へ戻れるようになったあとも、先生は「事後面談」と称して、たびたび家へ来るようになるんです。授業は、一日では終わりません。
見どころ1:「教えてあげるとか言ったのに」、先に崩れるのは先生のほう

この授業、採点がやたら甘いんです。
キスをすれば「キスするの上手だよ」「自信持って」。明日から学校へ来ると約束し、今日のことは誰にも言わないと約束すると、「スムーズに約束してくれるようになったね」。約束の上手さまで褒める先生、初めて見ました。
ところが、先生がこちらを床に寝かせ、胸を舐め、ズボンを脱がせたあたりから、その言葉が変わります。
「先生、舐めたいな」
舐めてあげる、じゃない。舐めたい。先生自身の欲望が、はっきり言葉になってこぼれた瞬間です。私はここで一度、画面の前で座り直しました。この授業、いったい誰のための授業なんだ、と。
口で二度受け止めても、先生は胸で挟み、若いからすごく大きくなると嬉しそうに言う。そう言われると、こちらもまだいける気がしてくるから不思議です。そのあと先生は下着を脱いで、自分の体を見せ、触らせる。息が上がる。そして、とうとう本音が漏れる。
「教えてあげるとか言ったのに」「私が興奮してきちゃった」
味見と言いながら、生徒の鍋をいちばん食べている料理教室の先生。あの感じです。でも、それが嬉しいんですよ。教わっているはずのこちらが、先生を夢中にさせている。そう気づいた瞬間、この作品はただの手ほどきものではなくなります。
そこから先生は上にまたがり、自分から受け入れる。眼鏡をかけたまま前髪を乱し、覆いかぶさるように腰を落としては、何度も達していく。それでも先生は、先生をやめないんです。すぐに果てそうになるこちらに「我慢できる?」と聞き、「エッチって気持ちいいね」と言いながら、まだダメだと止める。
……間に合いません。中で果ててしまったあと、先生はこう言います。
「良くないこと教えちゃった気がする」
さらに、またがったまま、今日は大丈夫な日だから中でもいい、でもほかの子とするときはゴムをつけないとダメ、と念を押す。ケーキを頬張りながら食べ過ぎを注意するダイエット講師みたいで、笑ってしまいました。でも、そこが最高なんです。この人は、こんなときでも先生でいようとしている。それでいて、一人の女性として崩れていく。
今度はこちらが動く番。正常位で見下ろすと、先生は「先生の感じてる顔見て」とせがむ。その日の終わりに、先生は白状します。「君に私がエッチな女だってバレちゃった」。それから、「先生好みのおちんちんでした」。
見どころ2:事後面談で、先生は授業の答え合わせをする

こちらは無事、学校へ戻れるようになります。めでたし、めでたし。……とはなりません。
後日、部屋を訪れる先生は、白いブラウスに、細いフレームの丸眼鏡。場所は床からベッドへ移り、明かりもどこか暖かい。最初の報告がいいんですよ。「君のお父さんとお母さんに感謝されちゃった」「君が学校に行くようになったからだよ」。そして、「私も感謝してる」。
その感謝、たぶん意味が違います。
ここからの先生は、自分の欲しいものをもう隠しません。隣に寝そべって手でしながら、昔の話を始める。
「先生ね、教師になる前は」「結構遊んでたの」
一日に三、四人と遊んだり、一度に四人の男性を相手にしたりしたこともある。最初の日にも若い頃の恋愛の話はしていましたが、ここまでとは聞いていません。先生になってからは真面目に暮らしていた。そう言ったあとに「でも、こんなに相性のいい君と会えて」と続け、また夢中になってしまいそうだと打ち明ける。そして、「こんなエッチになったの、君のせいだよ」「責任取ってくれる?」。
生徒が責任を取らされる面談。聞いたことがありません。
口で受け止めたあとは自分からまたがり、中に出させても「もう、一回じゃ足りない」。両親が帰ってくるまで一時間くらいある、と確かめると、「どうする?ギリギリまでする?」。今日は面白いものを持ってきた、と取り出すのは電マで、「これ、どうやって使うか知ってる?」と、ちゃんと小テストから入る。自分に当てて潮を吹けば、ごめん、と謝りつつ、女の子が気持ちいいときに出ちゃうの、と解説まで付けてくる。どこまでいっても授業の形をしているのが、おかしくて、たまらなくいやらしい。
しまいには電マをこちらに預けて、先生のことをイかせて、と頼んでくる。教わる側だったこちらが、今度は先生を気持ちよくさせる番です。そのまま騎乗位で揺れながら、先生は「こんなに先生好みに成長してくれて」と喜ぶ。
そして最後。何度も中で受け止めたあと、先生はこちらの胸の上で、授業の答え合わせをします。
色々教えるとか言っていたけれど、「本当は君と」「したかっただけなの、私が」。ダメだとわかっている。でも、学校へ来てくれるようになったのは本当に嬉しい。だから、「半分は君のためで」「半分は私のため」。
ここで、それまでの景色が少し違って見えてきます。生徒のために体を張る先生の話だと思っていたら、半分は先生自身の話だった。それでいて、嘘だったわけでもない。学校に戻れたことを喜ぶ気持ちも、ちゃんと半分ある。思い返せば最初のキスのあと、先生は「私も緊張した」と言っていました。あれも、たぶん本当だったんです。
最後に:十秒の練習の先にあったのは、求められる側になる体験だった

女性に慣れていない男が、年上の女性に一から教わる。設定だけ聞けば、よくある話です。
でもこの作品は、教える側の本音まで、最後にきちんと明かしてくれる。先生はずっと優しい。うまくできれば褒めるし、失敗しても「全然いいんだよ」と受け止める。そのうえで、教えながら自分もこの時間を欲しがっていたと打ち明ける。
一方的に施されるだけの関係って、どこかで申し訳なくなるんですよ。こんなにしてもらっていいのか、と。「半分は私のため」は、その申し訳なさを消してくれる一言です。あなたは練習台でも、かわいそうな生徒でもない。ちゃんと求められていた。
そして先生は、あなたのことを「私の最高の生徒」というより、「最高のちんちんを持った、私の大好きな男の子」だと言うんです。笑っていい場面なのに、なぜか少しだけ胸が熱くなる。
観終わったあと、女性と話す場面が来たら、あなたはきっと心の中で数を数えてしまうはずです。いち、に、さん。十まで数えられたら、先生の声で「よくできました」が聞こえてくる。
先生の最後の言葉は、「これからもよろしくね」。授業は、まだ続きます。
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