
こんな人に観てほしい:誰かと暮らした最初の一週間を、もう一度欲しい人へ

同棲を始めた最初の一週間って、人生で何回経験できるか。──たぶん、平均すると一回か二回。「同棲が始まった、最初の一週間」という時間軸を、もう一度自分の人生に差し込みたい人は、結構いるはずです。
本作は、その時間軸を、笑い上戸のLカップの彼女と過ごす形で、貸してくれます。女優は田野憂。メーカーはエスワン。「同棲始めて1週間だけど、なんか好きで好きで止まらないの」──この台詞を、寝起きの顔で、本気で言ってくれる時間が、ある。
あらすじ:「朝ごはんもう作り始めちゃっててもいい?」「ちょっとイチャイチャしたいかも」

舞台は同棲したばかりの自宅。寝起きで、彼女が朝ごはんを買ってきてくれた。「あ、起きてたんだ、おはよ。すごい気持ちよさそうに寝てた」「朝ごはん買ってきたけど、パン食べる?」──起きたら、隣に温かい人がいる。これが、一人暮らしを長くやってきた人間にとって、どれだけ反則かを、最初の30秒で叩きつけてくる。
そして、彼女からの提案。「ねえ、朝ごはんもう作り始めちゃっててもいい?」「どうしようか…ちょっとイチャイチャしたいかも」「だめ?」──「朝ごはん」と「イチャイチャ」を、彼女側が同じ天秤に乗せてくる。「ご飯前にイチャイチャしたい」を口に出していい関係が、世界に何個あるか。
「まだ同棲始めて1週間だけど、なんか好きで好きで止まらないの」「だからいつもみたいに、おはようのチューしてもいい?」──「いつもみたいに」。1週間の同棲歴で、もう「いつも」が成立している。「いつも」という単語の発明速度が、人によって、こんなに違う。
見どころ1:「ゆうのおっぱいに触れるのは、世界で一人だけだよ」

「ずっと、1年後、10年後、ずっとずっと大好きだよ」「同棲してたら、こうやって毎日チューできるんだよ」「すごい、毎日ドキドキしちゃうね」──「10年後」という単語を、朝のキスの途中で、笑いながら出してくる。こちらが計算しているはずの未来の時間軸を、彼女側が先に手に入れて、こちらに渡してくる。
「ねえ、ゆうのこと好き?」「見て、こんなにあったかくなっちゃった」「興奮しちゃった」「パン食べる時間なくなっちゃう」──朝ごはんを犠牲にしてくる。「ご飯より、こっちが優先」を、相手の側が決めてくれる時間。
そして、彼女が仕事に行こうとするこちらを止める。「この後、お仕事だよね?行かないで」「お仕事行かないで、ゆうとこのままずっと一緒にいて、ダメ?」「少しだけ、仕事行くまで、ちょっとだけイチャイチャしない?」「せっかく同棲したんだから、イチャイチャできるのが、同棲の醍醐味でしょ?」──「同棲の醍醐味」を、彼女側が定義してくる。
そして、決定打。「ゆうのおっぱいに触れるのは、世界で一人だけだよ」「特別だよ」──「世界で一人だけ」。この称号を、本気の声で渡してくる人が、隣にいる。「世界で一人だけ」を言われる側になること自体が、人生のボーナスステージ。
「今日エッチしたかったから、新しいのにしてきたの」「興奮したら、してもいいんだよ」──下着が新調されていることまで、自分から見せてくる。前夜の段階で、もう今朝のことを計画していたことを、隠さない。
見どころ2:「絶対にイっちゃダメだよ」── イかせに来ている

そして、本作の中盤。パイズリの時間。「今日もパイズリしてあげるけど、絶対にイっちゃダメだよ」「イったら、また怒るからね」──「絶対にイっちゃダメ」を、行為の前に宣言してくる。
「ゆっくりなのと、早いの、どっちが好き?」「じゃあゆっくりの方からやってみるね」「気持ちいい?」──選択肢を提示して、こちらの好みを引き出してから、好みを使って攻めてくる。自分の好みを、彼女に渡した瞬間、それが攻め手として返ってくる。
「まだエッチしたいから、絶対にイっちゃダメだよ」「イったらエッチできないからね」──「イったら、本番のエッチが消える」ルール。この一言で、本作の構造が全部見える。今日中にエッチに到達するには、まずパイズリで耐え切らなければいけない。最高の試練を、最高の道具(Lカップ)で課してくる。
「もうそろそろ、イきたくなってきたでしょ?」「気持ちいい?」「顔、本当に赤いよ」「イきそうなの?イっちゃダメだよ」──こちらの限界を、表情から読み上げてくる。「耳が赤くなる」「顔が赤くなる」を、本人より先に検出されている。自分の身体の状態を、彼女に逐一中継されている屈辱と快感。
そして、暴発。「なんでイっちゃったの?イっちゃダメだって言ったじゃん」「エッチ楽しみにしてたのに」「でもすごくいっぱい出たね」──怒っているのに、出た量も褒めてくる。「もうおこだよ?」で済む怒り方ができるのが、同棲1週間目の特権。
最後に:「明日の朝ね、楽しみに待って」── 翌朝、ようやく一回

「じゃあ夜、夜ね、楽しみに待ってるよ」「仕事早く帰ってきてね」「今日1日ずっと待ってたんだよ」──「楽しみに待ってる」。この一言が、出勤中の頭の中で、何回も再生されることになる。夜になって、再戦。「今日はエッチしてくれるんだもんね?楽しみに待ってたんだよ」「ダーがいつも一生懸命、頑張ってるところとか、全部込み込みで好きだよ」──仕事を頑張る理由を、彼女側が作ってくれる。
しかし、夜のパイズリでも、また暴発。「出さないでって言ったじゃん」「イくとき教えてって言ったじゃん」「ひどいよ、ひどい」──怒り方が、子供の怒り方。「もう本当に楽しみにしてたのに」「明日の朝?明日の朝だったらいいよね」「だって今出したから、明日の朝ね、明日の朝、楽しみに待って」──「明日の朝」にスライドされる予定。カレンダーが、彼女の機嫌で動く家。
そして翌朝、ようやく本番。「おちんちん入れてくれてありがとう」「おちんちん、すっごい気持ちいいね」──ここまで、本当に長かった。作品の後半まで、彼女の「ダメ」と「明日の朝ね」で耐え抜いた先に、ようやく到達する構造。
「世界で、ダーのこと一番愛してる」「ゆう以外見ないでね」「ゆうだけのダーでいてね、これからもずっと大好きだよ」──ラストで、確定する。「世界で一人」は、お互いに、相互で、言い合えるルールだった、ということが。観終えたあと、思います。「同棲1週間目」という時間軸は、人生の中で本当に短い。毎朝の「いつもみたいに」が「いつも」として定着するまでの、その間の透明な時間。本作は、その時間を、Lカップの笑い上戸の彼女と過ごす形で、87分だけ、自分の朝に差し込んでくれる作品です。
