
こんな人に観てほしい:良かれと思ってやられると、断れないあなたへ

職場の後輩が、完全に的外れなやり方で、あなたのために全力を尽くしてきたことはありませんか。頼んでいない資料を徹夜で作ってきた、とか。実家から、食べきれない量の野菜が送られてくる、とか。あれ、困るんですよね。でも突き返せない。相手の側に悪意がゼロだと、こちらの正論は全部ただの意地悪になってしまう。あなたのその弱さ、この作品では致命的です。
もうひとつ。最後に誰かから全力で好かれたのは、いつでしたか。損得も打算もなく、ただ会えたことだけで嬉しそうにされた記憶が、もう思い出せないくらい遠くなっている人こそ観てほしいんです。玄関のドアを開けて「会えて嬉しい」と言われる場面で、たぶん一瞬、息が止まります。エロい云々の前に、そこで刺されます。
あらすじ:「テーマパークに遊びに行くから、一日泊めてくれない?」

作品は黒い画面と、静かなテロップから始まります。「昔の思い出」「お兄ちゃんだーいすき」。うちに遊びに来るといつもこうして甘えてきた姪っ子がいた、最後に会ったのは8年前——そこまで説明されて、電話が鳴ります。「久しぶり、かんなだよ」。テーマパークに行くのにホテルが高くて、そういえばお兄ちゃんの家から電車で一本じゃんと思い出したから、一日泊めてほしい。断る理由なんてありません。
主演は天音かんな。一週間後に現れた彼女は、匂いが変わってないねと言い、男らしくなったんじゃないと言い、部屋に上がるなり「昔みたいにくっついてもいい?」と聞いてきます。それから、身長は159センチまで大きくなったと報告し、他にどこが変わったと思う? と胸を指して、カップ数を当てるクイズを出題してくる。触ってみたい人手挙げて、はーい。この時点でもう、この家の主導権は完全に向こう側です。そして彼女は言うんです。昔みたいに、お医者さんごっこしようよ。かんな持ってきたんだよ。
見どころ1:診察されているのは、どっちなんだ

聴診器を持たされて、私が先生、彼女が患者。診察が始まります。「最近なんか、胸のあたりがドキドキしてて」。金属の冷たい面を服の上から当てると、彼女は「聞こえにくいからブラ取れって?」と勝手に受け取って自分で外し、あんまり見ないでくださいよと言いながら胸を差し出してくる。この「あんまり見ないで」が全部嘘なのは、目を見れば分かります。
私が完全に負けたのは、その次です。彼女がお腹の下のあたりを押さえて、こう言うんですよ。「ここにしこりみたいなのがあって」「さっきまではなかったんです」「先生、触ってみてください」。しこり、ですよ。診察という建前を一度も崩さないまま、いちばん触ってほしい場所へ手を誘導してくる。触れば「先生の手がこすれてます」、濡れてくれば「これ何ですか? 私なんかの病気ですか?」。全部、敬語です。医者の顔を保つのが、こんなに難しいとは思わなかった。
そして役が交代します。「じゃあ次、お兄ちゃんが患者さんね」。口を開けて、舌を出して、はい熱を測りますね——という手順の途中で、彼女の視線が下で止まる。「あれ? ここどうしたんですか」「なんか固くなってますよ」「これはこのままだとまずいですね」「先生に任せてください」。力抜いてくださいね、力加減はどうですか、速さはどう。診察のトーンを崩さないまま処置されていく感覚が、腰の裏側からじわじわ這い上がってきます。しかも終わった後で、彼女は患者の役を自分から降りるんです。「患者さん、お医者さんごっこもうやめてもいいですか」「なんか私、これ舐めたくなっちゃって」。
見どころ2:「東京の人はみんな、ゴムつけないんでしょ?」

この作品の背骨はここです。彼女、田舎で勉強してきているんです。舐めるのも勉強してきた、お兄ちゃんのためだと思って、と言いながら根元まで含んで、感想聞かせてねと顔を上げる。飲み込んだあとには「東京だとみんな飲むでしょ?」。誰に教わったのと聞けば、元彼から教えてもらったんだ、と。
以降、これがあと二度出ます。東京の人ってみんなアナル好きなんでしょ、と言って自分から後ろを開いて見せてくる。舐めちゃダメだよ、息をフーフーするのもダメだから、と禁止だけ増やしながら、見られると興奮するの、いっぱい見てね、と言う。そして挿入の前、こちらがゴムを探そうとした瞬間の、あの一言。「東京の人はみんなゴムつけないんでしょ?」「外に出せば大丈夫でしょ?」
外に出す気なんて、彼女にはさらさらないんですよ。腰が止まらないと言いながら自分から動き続けて、そのまま奥で受け止めて、垂れてくるものを確認しながら「中に出すなんて悪いおちんちん」と、加害者役をこちらに押しつけてくる。しかも「もう精子空っぽにしないと」と言って二回戦に持ち込み、終わったあとには、満足そうな顔してどうしたの、まだできるでしょ、明日の朝まで時間あるよ、私眠くないよ、と続けてくる。悪気がゼロの人間に、悪気がゼロのまま搾り取られる。抗弁する言葉が、こちらにひとつもないんです。
最後に:また明日の朝も、と言われてしまった

黒い画面に「次の日の朝」と出て、目が覚めると、彼女はもうタオルケットの中にもぐり込んでいます。「お兄ちゃん起きた? 朝立ちしてたから、勝手に舐めちゃってた」。ここから最後のパートで、彼女の口調がすこし変わります。甘えて頼み込む側だったのが、突然、焦らす側に回るんです。
どうしてほしいか、ちゃんと教えて。何をぺろぺろしてほしいの。聞こえない、もう一回。言わされて、ようやく触ってもらえたと思ったら「イっていいよって言うまで、絶対イっちゃダメだよ」と条件がつく。どこをどうされると気持ちいいの、ここ? それとも裏筋? と確認を取りながら、自分の乳首にこすりつけて自分も気持ちよくなり、こちらが限界に近づくたびに、まだダメ、いっぱい精子ためてね、我慢我慢、と手を止める。昨日まで「お兄ちゃん大好き」しか言わなかった子の、この変わり身です。私はこの数分で完全に飼われました。
そして最後、我慢できたからご褒美あげようか、と口の中に迎え入れられます。全部受け止めてから、彼女はいっぱい出たねと笑って、ちょっと苦いけど嫌いじゃないよ、と言って、こう付け足すんです。「またフェラさせてね」。終わりの挨拶が、次回の予約なんですよ。
この作品が本当に怖いのは、彼女が一度も自分を悪いと思っていないところです。全部、大好きなお兄ちゃんのために勉強してきた成果。観終わったあと、あなたはきっと誰かの間違った知識を訂正したくなくなります。そして数日経ってから、玄関で「会えて嬉しい」と言われた場面だけ、なぜかもう一度観に戻ることになる。この一泊はあの一言から始まっていたんだと、気づくためだけに。
