
こんな人に観てほしい:「重い女は無理」が口癖のあなたへ

マッチングアプリのプロフィールに「まずは気軽に会える人」と書いているあなた。束縛は重い。詮索は面倒。自分の時間は大事。わかります。でも、正直に答えてください。深夜2時、誰からも通知が来ないスマホを眺めながら、一瞬でも思ったことはありませんか。「誰かに、全力で必要とされてみたい」と。あなたは重さに耐えられないんじゃない。重さを向けられたことが、まだ一度もないだけだ。その矛盾した願望、この作品が全部引き受けてくれます。ただし覚悟してください。これは疑似恋愛の甘いおやつではありません。愛情の過剰摂取です。
あらすじ:目が覚めたら、恋人ができていた

記憶は断片的にしか残っていない。酔った夜、家に連れ込んだ女の子。「私付き合った人としかエッチしないって決めてるの」「じゃあ付き合ってくれる?」「ならいいよ」——そんな会話を、した気がする。「外に出してって言ったのに」と言われた気も、する。
翌朝、目が覚めるとキッチンに彼女がいます。西元めいさ。明るいボブに水色のモコモコパーカー。「今日は私が作ってあげる。私たちもう恋人同士でしょ」。恋人? いつから? 手料理を頬張るこちらを「めいさの作った料理どうだった?」とデレデレで覗き込み、気づけば「ペアリングとか欲しいな、お揃いの。ていうか今日作りに行っちゃう?」まで話が進んでいる。展開が早い。怖い。でも可愛い。この三拍子が最後まで続きます。
見どころ1:「エッチしたら思い出すんじゃない?」という悪魔の論理

面倒くさくなって適当に「好き」と返した瞬間、空気が変わります。「何その好きって言い方。そんな心のこもってない好きはめいさやだよ」。見抜かれた。そして彼女が出した解決策が、人類史に残る屁理屈です。「じゃあさ、エッチしたら思い出すんじゃない?でしょ?」。
冷静に考えてください。エッチと記憶の回復に、因果関係は一切ありません。なのに私は、この「でしょ?」に、うなずく以外の選択肢を見つけられませんでした。同意を求める形をしているのに、拒否権が最初から用意されていない。しかもここからの彼女、パーカーを羽織ったまま白いTバックのお尻を擦り付けてきて、抱きついて、耳元に何度も「好きだよ」を落としてくる。それだけ押しておいて、いざとなったら「付き合う覚悟がないんだったら、あそこには入れさせないよ」と焦らすんです。おかしいでしょう。思い出させるためのエッチじゃなかったのか。ルールを作るのも彼女、破らせるのも彼女、審判も彼女。気づけばこちらが覚悟を問われる側に回り、密着したまま搾り取られている。悔しいけど、カラダの相性が良すぎる。
見どころ2:本体は、事後の休憩シーンにある

この作品の本体は、行為が終わってまったりする休憩シーンだと私は思っています。彼女がぽつりと言うんです。「もう終電の時間か。家帰りたくないな」。ここまでは可愛い。直後です。「じゃあさ同棲とかしちゃう?ここからだったら大学も近いし」。同棲。出会ってまだ一晩なのに。こちらが一瞬固まると、彼女の顔がすっと曇る。「嫌な顔したでしょ。悲しいな…」「私のこと好きなの?嫌いなの?どっち」。背筋が冷えました。ところが次の瞬間、彼女はこう宣言する。「じゃあもう決めた。今日は泊まる。私のことをもっと好きになって」「私自信あるから」。ずるい。怖さが頂点に達したところで、満面の笑みで放たれる「私自信あるから」。この落差で、恐怖が丸ごと愛おしさに変換されるんです。
そして寝室で、その自信の根拠を骨の髄まで思い知らされる。耳元で囁かれるのは「ゴムつけずに生でしたいな。昨日だってゴムつけないで生でしたでしょ」。昨晩「外に出してって言ったのに」と抗議していた人が、です。既成事実が、次の既成事実を連れてくる。全裸の騎乗位で見下ろされたあとに来るのが、エッチシーンの真骨頂、対面座位。息が触れる距離のまま全身で絡みつかれて、体温で退路が完全に塞がれる。舌を出して蕩ける正常位で、金玉がギブアップするまで搾られて、最後もやっぱり中出しです。
最後に:「だからずっと一緒だね」

すべてが終わったあと、彼女は当然のように笑って言います。「だからずっと一緒だね」。普通なら悲鳴を上げる場面です。でも観終わったあなたは、たぶん悲鳴を上げていない。考えてみれば、彼女は嘘をひとつもついていないんです。好きだから作る手料理、好きだから欲しいペアリング、そして好きだから泊まる。私たちが「重い」と呼んで遠ざけてきたものの正体は、出し惜しみのない全力の愛情だった。
ヘッドセットを外した瞬間、さっきまで胸の上にあった重さと熱が、ない。あの喪失感こそ、この作品が本物だった証拠です。観終えたあなたはきっとこう思うでしょう。「重くて、何が悪い」。……ただし、現実の夜遊びにはご注意を。
