
こんな人に観てほしい:「会社の女上司に告白する」という選択肢を、一度も使わなかった人へ

会社の上司に「好きです」と言う、というカードを、自分の人生で実際に切った人は、世の中にどれくらいいるか。──たぶん、ほとんどいない。「言ったら、会社に居づらくなる」「言ったら、関係が壊れる」。だから、誰も切らない。
本作は、そのカードを、「打ち上げで先輩が酔い潰れた介抱中」という最高にずるい状況で、こちら側が代わりに切ってくれる作品です。女優は水戸かな。メーカーはマドンナ。「酔った勢いで告白してしまった」を、自分の代わりに体験させてくれる75分。
あらすじ:「上司の言うことは、絶対。飲みなさい」

舞台はプロジェクトの打ち上げ。普段はクールな上司・水戸さんが、今日は仕事明けで、すっかり出来上がっている。「はーい、かんぱーい」「飲みすぎてないわよ」「もっと付き合いなさいよ」「上司の言うことは、絶対。飲みなさい」──「上司カード」を、酒の席で全力で使ってくる。
「水戸さん、男いないからって、憂さ晴らししてんじゃないの?」「そんなことないよ」「あー、どうせ、仕事バカですよ」──仕事バカ扱いを、自分で先回りして言うところに、彼女の苦みがある。普段クール、というラベルを、自分で剥がしてくる夜。
そして、酔い潰れる。「潰れちゃってるよ」「介抱してやれ」──周りが先に帰っていく。介抱役は、自然と一人に絞られる。酔い潰れた女上司を運ぶ役を、こちらが引き受ける構造。
見どころ1:「私を抱けるの?」── 売り言葉に買い言葉

介抱中に、彼女の無防備な姿を見て、思わず告げてしまう。今まで胸に秘めていた、密かな想い。──そして、返ってくる一言が、「私を抱けるの?」。
「私を抱けるの?」。──告白に対するアンサーが、「好き」「嫌い」「考えさせて」のどれでもなく、「抱けるの?」。問いそのものを、向こう側がスライドしてきたことになる。こちらが用意していた「告白の返事」の選択肢が、全部、向こう側で書き換えられた瞬間。
「ん?じゃあ行こっか」「裏のホテル」「ほら、行くよ」──主語が「行く」。こちらが連れて行くのではなく、彼女が連れて行く。酔っ払って介抱されているはずの方が、最終的にホテルへ向かう号令を出している。
「緊張してきちゃった」「久しぶりだからさ、優しくしてよ」──ホテルの部屋で、初めて彼女が弱さを見せる。「久しぶり」という単語の、業務外の使われ方。会社でクールな顔をしている人が、業務時間外に持っている「久しぶり」を、こちらが受け取る側になる。
見どころ2:「私を満足させるのが、決まりだからね」

そして、本作の核──スパイダー騎乗位。水戸さんが、こちらの上に覆い被さって、上から目線で見下ろしてくる構図。「顔面特化」と公式が銘打っているのは、この角度のこと。彼女の顔が、視界の全部を埋める。
「私を満足させるのが、決まりだからね」──「決まり」。業務命令としての、自分の満足化。会社で「上司の言うことは絶対」と言っていた人が、ベッドの上でも同じルールを持ち込んでくる。この一貫性が、効きます。
「一気にしよっか」「体力ないな」「私の彼氏なんだ」──「私の彼氏なんだ」。この一晩の間だけ、関係性のラベルが「彼氏」に切り替わる。会社では絶対に言わない単語が、ホテルの部屋では、当たり前のように出てくる。
「ダメだよ」──ダメと言いながら、止まる気はない。密着騎乗位、対面座位、ベロチューしながらの搾精。酔いの勢いで始まったはずの一夜が、一度きりで終わらない。「久しぶりだから」と言った人が、結局は朝までヤリ通す側に回る。
最後に:「酔った勢い」では片付かなかった、一晩

翌朝──「酔った勢い」で済ますには、明らかに時間が長すぎた一夜だった、ということが、本人にも分かっている。「久しぶり」と漏らした水戸さんが、一度きりで収まるはずがなく、欲望のままに激イキピストンで中出し絶頂を繰り返したあと。
観終えたあと、思います。「会社の上司に告白する」というカードは、「相手の方が酔っていて、自分の方が冷静」という条件下でしか、たぶん切れない。本作はその条件を、「打ち上げで先輩が酔い潰れて介抱中」という最高に都合のいい設定で、用意してくれている。「会社では絶対に見られない側の上司」を、一晩だけ受け取れる作品です。
