
こんな人に観てほしい:怒りの飲み込み方だけ上手くなってしまったあなた

理不尽なことを言われた瞬間、まず笑ってしまう人はいませんか。ムカついているのに、口が勝手に「すみません」と動く。夜、風呂で思い出して、シャンプーのボトルを無意味に強く握る。明日こそ言い返そうと決めて、翌朝にはまた笑っている。怒りを出す場所がないまま、飲み込む技術だけが上達していく。この作品は、そんなあなたの腹の底に沈んだものを、まとめて燃やすための59分です。
あらすじ:鼻息ひとつで「罰」が決まる

地元の生意気ギャル・ゆめ(西宮ゆめ)は、いつからかボクの家に居座り、ボクを奴隷のように使っている。今日も機嫌は最悪。「あー、イライラする。見てわかんないの?」。理由はない。ないんですよ。謝れば「ごめんなさいじゃなくて、すみませんだろ?」、肩を揉めば「ヘッタクソだな」、鼻息がかかれば——「アウトー。罰決定」。鼻息で罰。どこの国の法律ですか。
罰の内容は常軌を逸しています。服をビリビリに破かれた上で、全裸でのオナニーを強制され、目の前で見物される。彼女は頬杖をついて笑い転げ、素足の先で乳首を転がして「なんでも立つんだねー」。出したら出したで「やばー。変態なんじゃないの?」「もういいからさー、帰ってくんない?もう用ないから。ばいばーい」。もう一度言います。ここはボクの家です。この女、人の部屋なのに「私の部屋汚さないでねー」と言うんですよ。——ここで、ボクの中の何かが切れた。無防備にベッドで寝そべる彼女に、静かに「あるもの」を仕込む。ここから先は、無許可の連続です。
見どころ1:語尾を伸ばして人を刺す女

まず断言します。前半の西宮ゆめは、あなたが人生で出会った嫌なやつ全員の完成形です。何がすごいって、語尾なんですよ。「〜くんない?」「〜だねー」。全部、語尾が伸びる。頬杖をついて、ジト目で見下ろして、口だけ笑っている。「こんなことさせられて、楽しいですか?」と、わざわざ敬語で煽る余裕まである。私はヘッドセットの中で本気でイラッとしました。AVを観てイラつくって何? でも途中で気づいたんです。罵倒しているのに、この声、楽しそうに弾んでる。憎まれ役をここまで気持ちよく演じ切れるギャルは、そういません。
そしてこのムカつきは、ただの不快じゃない。全部、薪です。彼女がひとつ嘲笑うたびに、あなたの腹の底に薪が一本積まれていく。特に覚えておいてほしいのが、オナニー見物中に彼女が笑いながら言う「イくまでやめてあげないからね」。この一言が、まさか自分への判決文になるとは、この時の女王様は知る由もない。薪を組む時間が長い焚き火ほど、火は高く上がる。この前半は、絶対に早送りしてはいけない。
見どころ2:「嫌だってばー」の、すぐあとに

反撃開始。異変に気づいたゆめは怒ります。「なんかしたでしょー」「マジキモい」「許さないからー。謝ってー。土下座してー」。注目してほしいのは、まだ女王様の語彙だということ。身体にはもう力が入らないのに、口だけは命令をやめない。この往生際の悪さが崩れていく数分間がたまらない。「触んないでー」「嫌だってばー」——その並びの中に、ある瞬間、違う言葉が混ざるんです。「もっとー」。聞き間違いかと思いました。でも、拒否の言葉の合間に、何度も混ざる。本人も気づいていないと思う。プライドはまだ「嫌だ」と言っているのに、口が勝手に別の返事をしている。降参でも抵抗でもないこの中間地帯が、たまらなく生々しい。完全に堕ちた女より、堕ちている最中の女のほうが何倍もエロい。
やがて漏れるのは「入れるのー?」。命令じゃない。拒否ですらない。ただの弱々しい問いです。返事の代わりに、バックから無許可で貫く。もちろん中出し。しかも連発。髪を掴んでの口奉仕、背面騎乗位、対面騎乗位——M字に開いた脚が痙攣して、あの見下すジト目は焦点を失い、表情は口が開きっぱなしの蕩け顔に変わる。イキまくって動けなくなったところに生での追撃、最後は正常位で枕を握りしめ、大きく脚を開いて、目を閉じたまま何度も絶頂。そう、「イくまでやめてあげない」を実行しているのは、いつの間にかボクの方なんです。前半に投げられたブーメランが、全部彼女の後頭部に刺さっていく。この構成の意地の悪さに、私は拍手しました。
最後に:今度は、あなたが言う番です

私たちは毎日、理不尽を飲み込んで生きています。言い返す練習をする場所は、現実にはどこにもない。この作品は、飲み込み続けた側が、一度だけ全部ひっくり返す物語です。そしてそれが成立するのは、前半の西宮ゆめが本気で憎たらしいから。観る人を本気で苛立たせられる女優は、実は貴重です。
観終わって最初に思ったのは、「溜飲が下がるって、こういうことか」でした。ヘッドセットを外した瞬間、あなたはきっと、語尾を伸ばしてこう言ってしまうでしょう。「面白かったー」。そう、あの女王様の口調で。
