
こんな人に観てほしい:彼女の本音を、知ったら戻れない覚悟がある人

長く付き合った相手のセックスが、本当の意味で「相手を喜ばせている」のかどうか──たまに、確かめたくなりませんか。
愛と興奮は、本当は別物なのかもしれない、と。彼女が自分とのセックスを「義務」だけでこなしているのか、それとも本当に感じているのか。その答えを、一晩で全部見せられる作品があります。ただし──知ってしまったあと、もう知る前には戻れない。それが分かっている人だけが、この104分を観てください。
あらすじ:遊園地デート帰り、彼氏の提案

女優はmiru。メーカーはエスワン ナンバーワンスタイル。
舞台は遊園地デート帰り、二人の家。「楽しかったね、もっといろんなとこ行きたい」「これからもずっと一緒にいてね」。完璧な王道いちゃラブ。緑のキャミソールでmiruちゃんは何度もキスをねだってくる。
ところが、こちら(彼氏)が切り出すんです。「最近、マンネリしてきてるじゃん?」。
miruは即否定。「私は全然マンネリしてないよ」。他に好きな人ができたのかと早合点して、不安そうな顔で詰めてくる。が、こちらの口から本当の提案を聞く。3P。
「ちょっとやめてよ、3Pって」「ありえない、絶対やだよ、やんないよ」「私は好きな人とエッチがしたいの」「私が他の男としてて嫉妬しないわけ?」「興奮する?どういうこと?」。
正論の連打。完璧に拒絶している。──そこで玄関のチャイムが鳴る。
見どころ1:「断る」と言い続けながら、断れない

この作品の前半、本当によく書けているんです。
確認しに行ったら、本当に友達が来ている。「お疲れっす」と他人事の挨拶。miruは「お疲れじゃなくて、帰っていいよ?」「話まとまるわけないじゃん」と必死の抵抗。だが友達の方も「頼まれてる側だからさ、miruちゃん」「断れない」と引かない。当事者三人とも、「自分は加害者じゃない」というポジションを取ろうとする狡さの構図。彼氏は提案しただけ、友達は頼まれただけ、彼女は嫌々受け入れただけ──全員が責任を分散することで、この夜が成立する。
そして3Pが始まる。乳首責めから。「miruちゃんのおっぱいめっちゃエロいわ」「超敏感なんだけど」と他人棒側が観察する声。一方でmiruは、こちら(彼氏)に向かって「ちゃんと見ててよ」「めっちゃ濡れてる」と確認しながら反応していく。「見てて」と命令されているはずなのに、こちらが見られている錯覚。
挿入の許可は他人棒に取らせる。「入れてもいい?」「めっちゃ濡れてるもんね?」。そして、miruは決定的な一言を漏らす。
「3P、興奮するかも」。
「マンネリ解消できた?って話してたの?」と皮肉も挟みながら、だんだん声の質が変わっていく。さっきまで「私は好きな人としかエッチしない」と言っていた口で、いまは別の男に「めっちゃ奥まで咥えてくれんじゃん」と言われている。この声の変化を、本人と一緒に観ているしかないのが、見どころ1の苦さです。
見どころ2:「ごめんなさい」が、ご奉仕に変わるまで

3Pが終わり、友達は帰る。残された二人で、本当の勝負が始まる。
「めっちゃ気持ちよかった」。miruはまずそう言う。本音。続く。「ちょっと怒ってる?他の人のチンチンで気持ちよくなってごめんなさい」「許してくれる?ご奉仕するね」。
ここからが、この作品の核心です。謝罪が、そのままご奉仕に変わっていく。「もっと謝って?耳元で?」とこちらが追い込めば、miruは耳に唇を寄せて「他の人のチンポで気持ちよくなって、ごめんなさい」と繰り返す。罪悪感を快楽に変換する作業。それを、彼女自身が嬉々として手伝ってくる。
途中で、本音が混ざる。「でもほんとに気持ちよかったんだもん」。
これが効きます。謝りながら、撤回しないんです。「ごめんなさい」と「気持ちよかった」を同時に成立させてくる。普通なら「あれは間違いでした」「あなたの方が好きです」と言うところを、miruは絶対に否定しない。事実は事実として残しながら、それでも愛は別の場所にあると主張してくる。
「おかしくなっても知らないからね」「やば好き」。覆いかぶさり騎乗位。他人とのセックスで開いた身体が、今度はこちらだけを受け入れる。同じ身体、同じ反応、でも宛先だけが違う。それを身体ひとつで証明してくる。最後の方には何度イったか分からない。潮を吹いて、痙攣して、それでも「やめないで」と言ってくる。
最後に:「ずーっとよろしくね」

朝、miruが言います。3Pなんかじゃなく、「ずっと一緒にいたい」と一生の約束をし合えたこと──それが本当のマンネリ解消だった、と。「ほんと大好きになった?私も大好き」「ずーっとよろしくね」。
この最後のセリフ、レビューでも「最後のフレーズで恋した」と書いている人がいます。昨夜、別の男に抱かれて、感じて、謝って、ご奉仕して、それでも「ずっとよろしく」が言える。
愛は、ピュアなだけじゃない。一度汚れたあとに、ちゃんと拾い直して、また綺麗にできるかどうか。この作品が描いているのはそういう愛の話です。NTRというラベルで括られていますが、実際はもっと深いところに着地している。
観終えたあと、あなたはたぶん、自分の隣にいる人の顔を、いつもより少しだけ長く見つめることになります。あの子は、本当にこっちのことを好きでいてくれているのか──と疑うのではなく、好きでいてくれていることに、もっと敬意を払おうと思える。そういう、不思議な後味の作品です。
